2026年6月12日

こんにちは、院長の玉岡です。
「仕事が忙しくて前日から準備する余裕がない」「前日の夜中に下剤を飲むのがつらかった」という理由で、大腸カメラを後回しにされている方は少なくありません。
そういった方にご検討いただきたいのが、即日大腸カメラという検査スタイルです。
ただし、即日大腸カメラはすべての方が対象になるわけではありません。安全に検査を受けていただくため、年齢・排便状況・内服薬・前日の食事内容などに条件があります。
この記事でわかること
- 即日大腸カメラと通常の大腸カメラの違い
- 当日の流れとポイント
- 安全性・検査精度に関するエビデンス
即日大腸カメラは、当日の朝からご来院いただき、院内で下剤を飲んで午後から検査を受けるスタイルです。大阪・鶴橋駅直結のたまおか肛門・内視鏡クリニックが、国際ガイドラインのエビデンスとともに解説します。
即日大腸カメラとは?通常の大腸カメラと何が違う?
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を受けるには、腸の中をきれいにする「腸管前処置」が必要です。
一般的には前日の夜から食事制限を行い、検査当日の朝に下剤を飲むか、前日夜と当日朝の2回に分けて飲む「分割服用法」が行われます。
即日大腸カメラは、この前処置をすべて検査当日の朝にまとめて行う方法です。
前日の夜に特別な下剤を飲む必要がないため、生活リズムを崩さずに検査を受けられます。検査自体は午後に行うのが一般的なスタイルです。
ただし、前日の夜に腸管洗浄剤を服用する必要はありませんが、検査精度を保つため、前日は1日を通して消化の良い食事をとっていただき、20時以降は絶食していただく必要はあります。
即日大腸カメラを受けられる方
当院の即日大腸カメラ検査、即日胃+大腸カメラ検査(院内下剤)は、以下のすべてに該当する方が対象です。
- 年齢が70歳以下の方
- 当日、検査予約時間の数時間前にご来院可能で、お時間に余裕のある方
- 院内で下剤を服用できる方
- 検査前日より1日、消化の良い食事のみで過ごしていただいている方
- 検査前日の夜20時以降から絶食できる方
上記すべてに該当する方のみ、即日大腸カメラの対象となります。
即日大腸カメラの対象外となる方
即日大腸カメラ検査の対象外となる方
- 70歳以上の方
- 排便が3日に1回未満の方
- 糖尿病薬を服用されている方
- 血液をサラサラにする薬を服用されている方
- 検査当日、自宅で下剤を服用されたい方
- 検査に対して不安がある方、説明を希望される方
上記に該当する方は、大腸カメラ検査前の事前診察(対面)が必要です。
安全に検査を受けていただくため、お手数ですが、事前診察および大腸カメラ検査のご予約をお取りください。
当日の流れは?来院から検査完了まで
ご来院・問診
ご来院後、前日の食事内容、当日の体調、内服薬などを確認します。前日は消化の良い食事をお召し上がりいただき、20時以降は絶食のうえ、お水のみでお過ごしください。
院内で下剤を服用
ご来院後、院内で腸管洗浄剤を服用していただきます。飲みやすさに配慮した下剤をご用意しています。
個室準備室で前処置
院内の前処置スペースで、下剤の服用後の経過を確認しながらお過ごしいただきます。各席にコンセントを備えており、トイレも十分な数をご用意しています。
下剤の効果には個人差があるため、腸管内がきれいになるまでお時間がかかる場合があります。
検査
検査着に着替え、ストレッチャーに横になっていただきます。鎮静剤を使用し、眠っているようなリラックスした状態で検査を受けていただけます。
※鎮静剤を希望されない場合、注射はありません。
※検査時間:15~30分程度
検査後・結果説明
検査終了後はリカバリールームで休憩いただき、その後、医師より検査結果について説明があります。鎮静剤を使用した場合、検査当日は車・バイク・自転車の運転はできませんのでご注意ください。
安全性や検査精度は問題ない?
国際的なガイドラインでも、即日前処置(当日服用法)の有効性は認められています。
欧州消化器内視鏡学会(ESGE)の2019年ガイドラインでは、「午後の大腸カメラにおいては、当日前処置は分割服用の代替手段として推奨される(Strong recommendation, high quality evidence)」と明記されています。
また、2025年に更新された米国消化器病学会・米国消化器内視鏡学会の合同コンセンサスでも、午後の大腸カメラに対して当日前処置を推奨可能な代替方法として位置づけています。
複数の研究をまとめたシステマティックレビュー(Bucci et al., 2019)では、当日前処置の腸管洗浄の適切率は85.3%、分割服用法は86.3%とほぼ同等であることが示されています。さらに、当日服用法のほうが前夜の睡眠が妨げられにくいという報告も同レビュー内で示されています(Bucci et al., 2019)。
当院の即日大腸カメラには、どんな特徴がある?
当院では、「本当に理解できたか、安心できたか」を大切にしています。
即日大腸カメラであっても、検査前に必要な確認を行い、患者さんの状態に応じて安全に検査を進められるかを判断します。また、検査中はスタッフが同席し、処置前には必ず声がけをするよう徹底しています。
当院の院長は、日本外科学会・日本消化器外科学会・日本消化器内視鏡学会・日本大腸肛門病学会の4領域専門医です。大腸の診察から内視鏡検査まで、同一医師がワンストップで担当できる体制を整えています。
また、細径内視鏡の使用・炭酸ガス送気による検査後の膨満感の軽減・鎮静剤の使用といった苦痛を軽減するための工夫を組み合わせています。
平日にお時間の取れない方には、土曜午後・第2第4日曜の検査もご利用いただけます。大阪メトロ千日前線・JR・近鉄の3路線が使える鶴橋駅直結のため、大阪一円からアクセスしやすい環境です。
よくある質問
Q. 即日大腸カメラは誰でも受けられますか?
A. すべての方が対象ではありません。70歳以下で、院内で下剤を服用できる方、前日から食事制限を守れる方など、いくつかの条件があります。
また、70歳以上の方、排便が3日に1回未満の方、糖尿病薬や血液をサラサラにする薬を服用中の方、検査に不安があり説明を希望される方は、事前診察が必要です。
Q. 前日は何を食べても大丈夫ですか?
A. いいえ。前日は1日を通して、消化の良い食事をお取りください。
おかゆ、素うどん、ゼリー飲料などがおすすめです。脂肪分の多い食品、繊維質の多い食品、海藻類、きのこ類、種のある果物などは控えてください。
また、検査前日の20時以降は絶食となります。お水は飲んでいただいてかまいません。
Q. 当日の朝に食事をしても大丈夫ですか?
A. いいえ。検査当日は朝から絶食です。お水のみでお過ごしください。
食事をされた場合、当日検査ができないことがあります。
Q. 鎮静剤を使った場合、検査後に車の運転はできますか?
A. 鎮静剤を使用した場合、検査当日は車・バイク・自転車の運転はできません。公共交通機関でのご来院をお願いしています。
Q. ポリープを切除した場合、注意することはありますか?
A. ポリープ切除を行った場合は、1週間程度、飲酒、香辛料の摂取、激しい運動を控えていただく必要があります。あらかじめ予定調整をお願いいたします。
まとめ
「前日の夜に下剤を飲むのがつらかった」「できるだけ短い日程で検査を受けたい」という方にとって、即日大腸カメラは検討しやすい検査スタイルです。
ただし、即日大腸カメラはすべての方が対象になるわけではありません。安全に検査を受けていただくため、年齢、排便状況、内服薬、前日の食事内容などを確認したうえで実施します。
対象条件に当てはまる方は、Web・LINEより即日大腸カメラ検査のご予約が可能です。
「自分が対象になるかわからない」「検査に不安がある」という方は、まずは事前診察をご予約ください。
「あそこなら安心して相談できる」と思っていただけるクリニックでありたいと考えています。
参考文献
Hassan C, et al. Bowel preparation for colonoscopy: European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) Guideline – Update 2019. Endoscopy. 2019;51(8):775-794.
Jacobson BC, et al. Optimizing Bowel Preparation Quality for Colonoscopy: Consensus Recommendations by the US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Am J Gastroenterol. 2025;120(4):738-764.
Bucci C, et al. Same-Day Regimen as an Alternative to Split Preparation for Colonoscopy: A Systematic Review with Meta-Analysis. Gastroenterol Res Pract. 2019;2019:7476023.
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・治療を行うものではありません。症状には個人差があります。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
記事監修:玉岡滉平(日本大腸肛門病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医)
